スタートアップ創業者が知っておくべき会計の基本原則3選

基本的な会計の原則を理解していれば、スタートアップの運営がよりスムーズになり、成長と成功につながる判断がしやすくなります。会計や財務は一見難しく感じるかもしれませんが、スタートアップ初期の段階では、すべてを知っている必要はありません。
最初のうちはビジネスもシンプルなので、いくつかの基本的な会計の概念を理解し、必要なときに専門家に相談すれば、十分に健全な財務判断ができます。事業が成長して財務が複雑になるにつれ、財務マネージャーを雇うことを検討すべきです。それまでは、以下の3つの基本的な会計の考え方を知っておくことで、安心してお金の管理ができるようになります。

1- 発生主義会計（Accrual Accounting）

発生主義会計とは、現金の受け渡しではなく、取引が実際に発生したタイミングで収益や費用を記録する方法です。

例えば：2月にサービスを提供し、4月に入金、5月に経費を支払った場合、実際の価値が発生した2月に収益と費用を記録します。

支払日で記録すると、業績が実際よりも良く見えたり、悪く見えたりすることがあります。プロジェクトが複数あると、財務状況を正しく把握するのが難しくなります。発生主義会計は、実際に「いつ・どこで」利益が出たのかを明確にします。

2- キャッシュフロー（Cash Flow）

キャッシュフローとは、会社の中に現金が出入りする動きを指します。これはプラスにもマイナスにもなります。

プラスのキャッシュフロー＝現金の流入が多い。 マイナスのキャッシュフロー＝支出の方が多い。

キャッシュフローを理解しておくことは、支払い能力や資金繰りの見通しを立てるうえで非常に重要です。発生主義会計が「利益」を見せてくれるなら、キャッシュフローは「資金繰りのリアル」を見せてくれます。

3- 財務諸表（Financial Statements）

財務諸表とは、会社の全財務取引をまとめた記録で、一定時点での財務状況を示します。

主な財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、負債報告などがあります。これらの書類がないと、会社は財務的なアイデンティティを失い、横領のリスクが高まり、業績評価も不透明になります。

財務諸表の主なメリット：

• キャッシュフローに影響するリスクを予測しやすくなる
• 危機管理や意思決定のフレームワーク構築に役立つ
• 正確なデータに基づいて会社の強み・弱みを評価できる

まとめ

発生主義会計・キャッシュフロー・財務諸表など、基本的な会計の理解は、スタートアップの成功に欠かせません。これらの考え方は、より賢い意思決定を支え、健全な資金管理と、持続可能なビジネス構築に繋がります。